力学的エネルギー保存則と運動量保存則の違い 高校物理
力学的エネルギー保存則
運動量保存則
この違いがよく分からないって方いると思います。(私も混同してました(笑))
・何が違うの?
・周辺知識も知りたい!
そんな方々のために簡単な違いをご紹介します。
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力学的エネルギー保存則と運動量保存則の違い
知りたいのはどの場面で使うのかですよね(たぶん・・)
力学的エネルギー保存則は、摩擦力や空気抵抗などの外力がないときに利用します。
運動量保存則は、作用・反作用のみが働く場合に利用します。
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力学的エネルギー保存則とは
そもそも力学的エネルギーって何なのでしょうか。その周辺の知識をご紹介します。
1.仕事
物体に力Fで距離xだけ動かしたときその積のFxが仕事Wです。
つまり W=Fx という式が成り立ちます。単位はJ(ジュール)です。
要点
- 仕事は物体の移動する方向を正
- 移動方向に垂直な力は仕事しない
2.エネルギー
エネルギーって表現がよくわからないですよね。ですが簡単です。
エネルギーは仕事がする能力です。
物体の運動によるエネルギーや位置(高さ)によるエネルギーがあります。
単位はJ(ジュール)です。
3.運動エネルギー・位置エネルギー・弾性エネルギー
運動エネルギーは、物体の運動によるエネルギーですね。
という式で表せます。
m:物体の質量 v:物体の速さ
位置エネルギーは、位置(高さ)によるエネルギーです。位置が高ければ高いほど大きくなります。高低差がなければ同じエネルギーとなりますね。
mgh という式で表せます。
m:物体の質量 g:重力加速度 h:物体の位置(高さ)
弾性エネルギーは、ばねの弾性力によるエネルギーです。縮めば縮むほど、伸びれば伸びるほど大きくなります。
という式で表せます。
k:ばね定数 x:自然長からの距離(ばねの伸び、縮みの距離)
4.力学的エネルギー保存則
力学的エネルギーは、運動エネルギーなどのエネルギーの和のことです
。
力学的エネルギー保存則は、摩擦や空気抵抗などの外力がないときに成り立ちます。
つまり
運動エネルギーが10 位置エネルギーが5 のとき
力学的エネルギーは15
そこから運動エネルギー、位置エネルギーが移動しても
力学的エネルギーは15のままということです。
ここでは運動エネルギーが10→0 位置エネルギーが5→15 とすると
10+5=0+15 で総和は変化しないよ!というような感じです。
例えば、摩擦は熱エネルギーを発生させるので、摩擦があると力学的エネルギーは保存されませんね。
ちなみに、力学的エネルギー保存の法則ともいいます(でしょうね(笑))
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運動量保存則とは
1.運動量
運動量とは、物体の質量と速度の積で表します。簡単にいうと運動の激しさです。
人がものすごい勢いで走ったら運動は激しいですよね!
p=mv という式で表します。
p:運動量 m:物体の質量 v:物体の速度
運動量の方向は物体の運動方向です。
2.力積
力積とは、物体に働いた力とその働いた時間の積です。
I=Ft という式で表します。
I:力積 F:力 Δt:力が働いた時間
3.運動量と力積
運動量と力積の関係は次のようになります。
Ft=mv’-mv
この式は運動方程式から求められます。
F=ma に a= を代入すると
F=m となり
両辺にtをかけると
Ft=mv’-mv と求めることが出来る。
このように力積と運動量の式を覚えるのではなく、導出できるのが一番良いと思います!物理では、他の式でも同様のことが多々いえますよね。
4.運動量保存則
運動量保存則は、作用・反作用のみがはたらく場合、物体の運動量の和は保存されます。つまり、力学的エネルギー保存則と同じように総和が変化しません。
・作用・反作用のみのときに成り立ちます。
・力学的エネルギー保存則と違い、摩擦力があってもOKなときもあります。
ちなみに、運動量保存の法則ともいいます(またかよ(笑))
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まとめ
・力学的エネルギー保存則は、外力があると使えない!
・運動量保存則は、作用・反作用のみの場合に使える!